ビジネス・日常

<第7弾 小説を書いてみた> ホームレス

はじめに

みなさん、こんにちは!Dスケです。

名前:Dスケ

大手企業を退職後、ロンドンへ留学。ロンドンのライフスタイルに影響を受け現在は、ブロガーとして生活。ネットビジネスのほか、デイトレや留学ライターとしても活動中。(社会人でのロンドン留学のご相談はいつでも)twitter@D_suke_tawagoto)で主にリアクションしています!

今後ともよろしくお願いします!

さて、まだまだ続く小説編。

就職活動は今どん底状態。また、就職活動についてもご紹介しますね。

それでは、早速いきましょう。

ホームレス

語学学校の授業が終わり、僕はあらかじめ日本で不動産を通さずに契約していた部屋にホテルから引っ越しするために向かった。部屋は語学学校から徒歩で20分ほどの場所にあり、家賃は8万円だった。日本で家賃8万というと、東京でも狭いがそこそこ綺麗なところには住める金額だ。今から向かう家が写真と異なっていないことを願った。重いキャリーバッグを転がしながら、街はビルが集まる都心から離れ団地のような住宅街になった。行き交う人も急激に減った。ロンドンらしい道路には、読みかけの新聞紙が風に吹かれて宙を待っていたし、ところどこに野良猫がゴミを漁っていた。嫌な予感がした。少し迷ったが、目的地の家の前に到着した。そこにあったのは3階建てで小さな一軒家だった。見るからに汚い。門の中に入ると枯葉やゴミが少し散らかっていた。呼び鈴はなく、本当にここだろうかと疑いの気持ちが強くなった。おそらく5分程は家の前でどうやって中にいる住人を呼び出そうかと迷った。

「どうみてもここだよな〜」

住所を再確認した。やはりここだ。家の中は綺麗であることを強く祈り、力強く扉をノックした。「・・・」1回目は何も返事がなかった。だが2回目のノックで「I’m coming」と叫ぶ男の声がした。ルームメイトは男性だった。そして出てきたのは、白いバスローブに包まれた髭面の黒人の男だった。「Hi, I’m moviing today」と用意していた言葉を口から吐き出した。すると男は笑顔で何かを言っていたがもちろん意味はわからない。中に入れというジェスチャーをしてくれたので、中に入った。家の中は、想像よりかは綺麗だった。「ふーん」僕は家の査定をするかのように周りを見渡した。全く心は踊らない。彼は言った。「I think you’re moviing not today but 3days later」僕は「really?」と適当に返事をして、部屋の中に入ろうとしたが、彼は続けて言った。「My friend still stays here untill 3 days later」僕は一瞬で全てを理解した。ここのオーナーとしっかりと契約ができていなかったのだ。彼は、この家のオーナーの連絡先を渡して電話をしてみろと提案してくれたが、英語が話せない僕にどう話をすればいいのか、途方にくれた。続けて2階のリビングで水でも飲んでいきなよと提案してくれたが、正直水なんて飲んでる場合ではなかった。僕はロンドンに来て、家を失ったのだ。

「OK, I’ll check the owner and coming back here later」

と言って、家から出た。彼は間違いなくいい人間で、僕を心配してくれていた。見た目は少し怖い感じがしたが、やはり見た目では何もわかないということだ。まず、自分の気を落ち着かせるためにカフェを探した。しかしこの辺りのカフェは少し汚く、僕の気持ちに比例して雨が降ってきた。僕は結局、語学学校がある街の方へ戻ってきて、白と黒、そして木をうまくコーディネートしたおしゃれなカフェに入った。コーヒーを注文し、荷物から解放され、とにかくそのオーナーに電話ではなく、メールで連絡をとった。雨の音は次第に強くなった。

「本日、入居予定だと思いますがまだ前の住居人が住んでいるということでした。どういうことでしょうか?私はどうすれば良いのでしょうか?」

返事は一瞬で返って来た。

「あなたはその家には入れません。もうすでに別の人と契約をしています。別の家なら紹介できますがいかがしますか?」

というようなものだった。英語なので、もっとカジュアルな英語だったはずだ。僕は混乱した。怒ればいいのか、泣けばいいのかわからない心理状態だった。とにかく、最悪な状況だった。心の中でFワードを何回も叫んだ。でも、実は僕の心の奥底では焦りはなかった。また、ホテルに泊まればいいだけのことだったからだ。ホテルは高いが快適だ。お金はそこそこ持っていたので、これくらいの問題はお金ですぐに解決できることだった。返信を無視しようと思ったが、やはり日本人らしくきっちりと返事をした。

「NO THANK YOU」

正直1発だけぶん殴ってやりたかった。僕はすぐにキングスクロスにあるホテルを5日間予約した。すぐに予約が取れたので、ホテルに向かった。とにかくこの大量の荷物から解放されたかった。すでに手にはマメが何個もできていた。荷物を部屋にどさっと置いて思った。

「ホームレスみたい・・・うん?いやまさにホームレスじゃん」

僕は人生で初めてホームレスになった。それも異郷の地ロンドンでだ。ただこの時は、お金が僕の不安をかき消していた。多少なりともお金があってよかったと心底思った。お腹が空いたのと、家を新しく探さないといけないと思い近くのレストランに入った。心はもう完全に落ち着き、新たな気分だった。

「これはラッキーなのかもしれない。あの家の周りは薄汚れていたし、8万円払うならもう少し遠くてもいいから綺麗なところに住みたいな」

僕の審査の結果、あの家は完全に不合格だった。そして前向きな気持ちになったところで、新たな家を探し始めた。キングスクロス周辺の家賃の平均はシェアルームでも10万円以上した。なるほどあの8万円は破格だったのか。僕は海外は初めてであり、さらにはロンドンという街は殺人や強盗に溢れた街と想像していた。なので語学学校から近い場所で部屋を探していた。だが、実際は全く違った。そして僕の家探しの条件は変わった。

・語学学校付近→歩いて行ける距離であればOK
・小さくても清潔で綺麗な部屋
・家賃は8万円、場合によっては10万円

この3つの条件に変更した。そして、今僕はロンドンにいる。つまりいつでも内見ができるので、今回のトラブルは結果オーライな気分だった。僕は生まれついた時からおそらくポジティブな部類の人間だ。嫌なことはすぐに頭から抹消できる機能を搭載して生まれていた。中学生の頃、朝学校に行くと僕の机はチョークの粉だらけで、なぜかゴミ袋が僕の席にたくさん置かれていたことがあった。教室に入るとニヤニヤしている人間がいたのですぐに犯人はわかった。僕は心の中で自分のことをこう思った。「悲劇のヒーローみたい」今思えば、ただのいじめの始まりだった。僕の机をめちゃくちゃにした奴をこの前実家の近くで見つけた。その前に彼が学校でいじめられて不登校になったという噂話も聞いていたので、少し同情すらしてしまった。僕は今一人でロンドンの中心のカフェで家を探している。汚された机をせっせと拭いていた僕に、今の自分を想像できただろうか。

僕はコーヒーを飲み干して、外を眺めた。さっきまで降っていた雨がピタッとあがり太陽が黒い雲から顔を覗かせ僕の歩く道を照らしてくれている。そんな気分になった。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

第7弾の小説でした。

彼はついにホームレスになってしまいましたね。笑

まだまだ序章にすぎません。

それでは、明日の第8弾をお楽しみに!

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