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<第4弾小説を書いて見た> ロンドン

はじめに

みなさん、こんにちは!Dスケです。

名前:Dスケ

大手企業を退職後、ロンドンへ留学。ロンドンのライフスタイルに影響を受け現在は、ブロガーとして生活。ネットビジネスのほか、デイトレや留学ライターとしても活動中。(社会人でのロンドン留学のご相談はいつでも)twitter@D_suke_tawagoto)で主にリアクションしています!

今後ともよろしくお願いします!

さて今回も、小説編です。

アクセス数も順調に伸び始めたのは、この小説のおかげでしょうか?笑

意外としっかりと読んでいただけることを実感中です。

それでは早速4弾目を発表しますね。

ロンドン

ロンドンは思ったより寒くはなかった。茶色の厚手のロングコートを着て行ったが、ヒースロー空港のカフェで脱いでしまった。ロストバゲッジの不安もあったが、無事荷物を引き取ることができた。この荷物は1年分の荷物だ。これを盗まれてしまうと、今後の生活ができなくなると思い必死に自分の側に置くようにした。荷物の中身は、盗られてもいい服、1年分のコンタクト、1年分の化粧水、日本食(味噌汁、お米)、大量のうちわと抹茶味のチョコレート。そして茶道セットに習字道具、折り紙まで入っていた。僕は、今からロンドンに日本文化を伝承しにいくかのようにいわゆる日本文化というものをキャリーケースの中に詰め込んでいた。初めて日本から出たのだ。何も知らない世界に飛び込んだんだ。

「空港の近くにホテル取っておいてよかった・・・」

時刻は夕方の6時だった。外は大雨。イギリスはやはり雨なのか。こんな大きな荷物を持って、雨の中ホテルを探すために歩いたり、電車を乗り継いだり、タクシーに乗る勇気なんてできない。そして、過去の自分も同じ気持ちだったのだろう、ホテルは空港に隣接した少々値が張るホテルを予約していた。相変わらず気がきく自分に満足した。そしてロンドンの生活がここから始まっていくんだという高揚感を抑えるために熱々のコーヒーを勢いよく飲み干した。それでも、僕の心臓は外の雨の音よりも激しくバクバクと音を立てて、骨を打ちくだき、皮膚を破り捨てて外に飛び出したいと言っているようだった。

「僕は今、ロンドンにいるんだ」

過去の僕は、会社でノートパソコンを開き、朝は100通以上溜まっているメールの流し読み、さらにスケジュールのチェック。すぐにミーティングが立て続けに入っており、それらが終われば昼食。美味しくもないランチに1000円支払い、次のミーティングのための資料を作成。そして、クライアントのところに行って商談。場合によっては帰社し、そこからまた資料の作成や財務処理などの雑務をこなす。1日はこうして、すぐに過ぎ去った。また次の日も次の日も、同じように過ぎ去っていく。そんな毎日が嫌だった訳ではない。そんな毎日に1つも満足していない自分が嫌だったんだ。

「ホテルに向かおう」

ホテルはカフェから5分程度の距離で、直進だったのですぐに到着した。英語でまた話さないといけないという恐怖心。中国の受付のトラウマがフラッシュバックした。

「Hi, I have an appointment」
「May I have your name, sir?」

僕は自分の名前とパスポートをみせ、難なくチェックインすることができた。デポジットで50ポンドクレジットで抑えておくというようなことを言っていたが、もう僕の答えは全て決めていた。「yes」。部屋番号は五〇五号室。エレベーターに乗ると老父婦が一緒に乗ってきた。女性の方が僕をみてなぜかニヤニヤしている。これがいわゆる人種差別?彼女は、僕のことを「黄色い猿」と思って笑っているのかもしれない。そんなことも一瞬頭を過ぎったが、よく見るとそんなことをする女性には見えかった。少し気品があり笑顔がとても優しい感じで、何か僕に話したそうな雰囲気すら感じた。日本人が好きなのか?いや、日本人と中国人を区別できる人などいるのか?彼女が気になったが、もちろん僕は英語が話せないので残念ながら話しかけることはできなかった。5階に到着した。

「Have a good day!」

とその女性は笑顔で声をかけてきた。僕はなんと答えれば良いのかわからず「Thank you」と満面の笑みで答えた。嬉しいという感情が僕に蘇ってきた気分だった。心が暖かい気持ちになったが、僕はすぐにロンドンの気温は日本よりも暖かいのかもしれない。そう思い込もうとした。部屋は思ったよりも広く綺麗だった。11時間のフライトの疲れは多少あったが、疲れよりも圧倒的に未知の世界への胸が踊る気持ちを抑える方が大変だった。今日1日だけは贅沢しよう!と思い、1階にある少し高級そうなレストランへ行くことにした。お腹は少し空腹だったけれど、食べずに寝てもいいレベルの空腹感だった。服はそのままで、携帯と盗まれてもいい用の財布を持って1階におりた。今度は一人のエレベーターだったが、頭の中では「Have a nice day」と言われたらどう答えるのが正解だったのだろうかと考えていた。「Hava a nice day too」とかかな?すぐに1階につきエレベーターが開き、店の前のメニューがあったのでそれを眺めていた。

「Do you have companions?」

白と黒でコーディネートされた英国紳士らしき店員さんが言った。僕は聞き取れなかったが焦りもなかった。なんと言っているかわからなかったので彼が言ったことは全て無視して「Can I eat something?」と聞いた。紳士は「Sure, come in」と笑顔でもてなしてくれた。最初に彼が言っていた「カンパーニアン」というのはなんだったのだろうか。席に着きメニューをみたが、もちろん全て英語で写真などは一切なかった。なんと客への思いやりがない店、いや文化だろうか。僕にとっては、最初の印象が全てイギリス全体の印象、文化として捉えるようになっていた。サイドメニューやスープ、メインメニューなどあるがどのように注文をすれば適量が出て来るのかもさっぱり見当もつかなかった。一番安いものが<ハンバーガーセット 15ポンド>だったので、それに決めた。当時1ポンド145円程度の為替だったので、15ポンドを計算すると2175円。なかなかの値段だ。そして飲み物に5ポンドのコーラを頼んだので合計20ポンド。2900円の食事だった。日本だとおそらく高くても1500円だ。やはり日本の物価の倍ほどするのかと痛感した。

「Here you are」

持って来たのは大量のフライドポテトと見たこともない大きさのハンバーガーだった。なるほど、これがイギリスサイズなのか。僕は食べずにそのまま寝てもいいレベルの胃袋で来ていたのだから、正直食べきれる自信はなかった。ポテトを食べながら、店の雰囲気を再確認した。僕は身長172センチの体重が56kg。日本ではスリム体型と言われていたが、ここイギリスでは僕のようなスタイルは一層小さく、ガリガリのアジア人の印象を持っているだろう。それくらい周りの体型の大きさに驚いた。僕は目の前に座っている、白髪混じりの老婆よりもきっと小さく、細いだろう。僕は、自分の外見が気になった。灰色のトレーナーにジーンズ、少しくたびれたそこの薄い靴、そして日本製の4万ほどするメガネをかけていた。どう、思われているのだろうか。アジア人差別が強いと聞いていたロンドンで僕は見下されているのだろうか。人の目がとても気になった。ただ、見下されているのならば自分に自信を持って、金持ちのフリをするくらいの気概で食事をしようと思った。自分に自信があるフリってどうすればいいのか?何をすれば自信があると思ってくれるのか?見当もつかなかったが、ゆっくりとハンバーガーを食した。申し訳ないが、ポテトは半分以上残して会計をし、部屋に戻った。

今日のブログのタイトルは「ロンドン最高!」

また、残念ながら僕の虚栄心には火がついていた。それはあの時と同じだった。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

少し長くなってしまったかもしれないです。

それでは次回をお楽しみに!

 

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